2017年 05月 14日
母の日 |
夏日となった母の日だが、カーネンションもプレゼントも送っていない。気恥ずかしさなんて年齢じゃないけど、どうも縁が薄い。
79『雪之丞変化』(1963)
長谷川一夫300本記念作品で、復讐を誓う女形・雪之丞と侠盗・闇太郎の二役を力演した。原作は三上於菟吉、朝日新聞の連載だという。監督は市川崑。60年代、大映の永田ラッパといわれた永田雅一が製作。山本富士子や若尾文子が若いし、山本富士子の任侠盗賊、江戸弁が小気味よい。う〜、時代劇を楽しめたな。
女形・雪之丞(長谷川)は公演中、桟敷にある男を見た。元長崎奉行・土部三斉。奴こそが、雪之丞の父親を陥れ自害に追い込んだ憎き仇だった。三斉の娘・浪路(若尾)からの熱い視線を感じた雪之丞は彼女を利用して復讐を果たそうとする。しかし、将軍側室の身でありながら一途に想いをぶつける浪路のいたいけな姿に雪之丞は心を痛める。それでも復讐の炎は燃え盛るばかり。江戸を舞台に雪之丞の復讐劇が始まる――。
2017年5月13日:二条
80『パーソナル・ショッパー』(2016)
PERSONAL SHOPPER
『アクトレス ~女たちの舞台~』『アリスのままで』や先週観た『カフェ・ソサエティ』ヴォニーのクリステン・スチュワート主演で、兄を亡くした悲しげな顔、霊能を感じる不思議な感性、美しい裸体を惜しみなく見せてくれるという演技を堪能できる。
パリで、多忙な人々の買い物を代行するパーソナル・ショッパーとして働くモウリーン(クリステン・スチュワート)は、数か月前に双子の兄を亡くし悲しみに暮れていた。そんな折、携帯電話におかしなメッセージが届き、さらに不可解な出来事が発生し……。
2017年5月13日:シネマ
81『追憶』(2017)
複雑な家庭環境で育った3人の男、風俗に身を置いた経験のある女、そしてその女を愛する男ーー陰影ある人間像の描き方はある意味大胆で、物語はいたってオーソドックス。99分という時間にまとめているのも、降旗康男監督の腕だろう。2016年11月に他界してから公開、あるいは感激した『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2016年)『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)『お彼らが本気で編むときは、』(2017年) につづき4本目でこの作品が公開最後となる。男好きで子どもを捨てた母親役だった。
富山県警捜査一課の四方篤(岡田准一)は、漁港で旧友の川端悟(柄本佑)の刺殺体と対面する。容疑者として浮上した田所啓太(小栗旬)を含む三人は、幼少期に親に捨てられ、共に過ごした関係だった。会社と家族のために金策に奔走していた川端と、幸福な日々を送る田所。そして、妻とすれ違いの日々を送る四方。こうして四方と田所は再会を果たすものの、四方の問い掛けに田所は何も語ろうとせず……。
ネタバレになるので申し訳ないが、「母親が父親を殺した子ども」という点はいかがなものか。もちろん、社会にはそんな事件があるとは思うが、見終わってからあの子の将来を思うと切なくなってしまったのが残念だった。
2017年5月13日:MOVIX
82『僕とカミンスキーの旅』(2015)
ICH UND KAMINSKI/ME AND KAMINSKI
視力を失った画家、家庭を失ったジャーナリスト。画家は昔愛した女性と再会するも男性パートナーと認知症になって暮らしてたことがわかり、ジャーナリストは作品の契約ができないーーしかし、失くしたあとにも未来があると感じさせる一作。物語は重層するのだが、洒落てウンチクある会話と綺麗な映像で展開するロードムービー。
達磨大師に弟子が「もうわたしには無しかありません」というと、師は「ならばそれを捨てなさい」という。うむ〜。
金と名声ほしさに芸術家の伝記を書こうと思い立った無名の美術評論家ゼバスティアンはスイスの山奥で隠遁生活を送る画家カミンスキーを訪ねる。彼はマティスの最後の弟子でピカソの友人、ポップアート隆盛の60 年代NY で “盲目の画家”として脚光を浴びた伝説的な人物だ。ゼバスティアンは新事実を暴く為、年老いたカミンスキーを言葉巧みに自宅から誘い出し若き日に愛した女性のもとへ連れて行こうとする。しかしトラブル続きの旅はいつしか奇妙な方角にねじれ、思いがけない終着点に向かっていくのだった。
2017年5月14日:シネマ
83『誰のせいでもない』(2015)
EVERY THING WILL BE FINE
男性作家と3人の女性の物語は、4人の苦悩や慈しみなど心の機微が1つの軸でもう1つは夫婦、家族、親子、そして美しい映像と音楽がうまく絡み引き込まれていく。とくに彼の老いた父親や、彼が自動車事故轢き殺した子どもの兄弟との関わりによって作家が男として成長する姿には「EVERY THING WILL BE FINE」という原題も邦題もなるほど、と思わせる。
スランプ中の作家トーマス(ジェームズ・フランコ)は、恋人サラ(レイチェル・マクアダムス)とカナダのモントリオール郊外で暮らしている。大雪が降る中、車を運転していたトーマスが突然車の前に飛び出して来た何かにびっくりして急ブレーキをかけたところ、一人の少年がぼんやり座っていた。彼は少年の無事を確かめて家まで送る。
フォークナーを夢中で読んでいたというくだりに、読んでみたくなる。
2017年5月14日:シネマ
by dai-tora
| 2017-05-14 19:24
| 映画
|
Comments(0)